2014年3月18日

天の女王と鏡の幻想・6(終)

ぴくしぶ投稿済『天の女王と鏡の幻想』
初出.6

 つらつらと書いてきたトリデラ終盤ストーリーつれづれ話、短いですがエピローグです。
詳しい前書きなどは〈その1〉からか、もしくはカテゴリ【フロラルド方面】からどうぞ (1から順番に並びます)(←以前の展望台での仕様)

 今回のストーリーに関する思い付いたネタを、とりあえず書いてみたいシーンから書き連ねる、という感じでざっくりと進めてきましたが、ひとまずED到達。後日談と言うか、最後に残りの(主に鏡関連)ネタを盛り込んでみたと言いますか。バトルシーンは完全にかっとばしです…。
 ゲストでシャドーカービィ登場。ですが、彼の事を作中では「シャドー」とは呼ばない、とちょっとした拘りを持っているせいで、読みづらいとか分かりづらいとかあると思います。ごめんなさい。 …公式略称付きのブラデが居るからあまり意味ないんですけれどね~。

(追記)3/20 全体的に調整。これでだいたい最終版かな…。


☆★☆ ★☆★ ☆★☆

6.二つの『ディメンションミラー』


 デデデ大王とタランザの届けた『きせきの実』が、カービィに新たなチカラを宿らせる。
 もうひとつの足場に移ったカービィを見送り、大王は今にも崩れそうになっている自分の足元を見下ろした。
「…タランザ。お前は、あいつの戦いを見届けておいてやれ。……どうも、オレさまには…もうひと仕事、あるみたいなんでな」
「え? ―――大王っ!?」
 驚くタランザを置いて、デデデ大王は足場を飛び降りる。


「―――よぉ、お前が、今回の黒幕か?」


 何も無かった筈のその場にしっかりと足を踏みしめ、ハンマーを構える大王の前に、大きな鏡が、姿を現した。





 …それははじめ、ただの模造品だった。
 有名な、おとぎ話に出てくるアイテムを模しただけの。
 それがいつしか、特別なチカラを宿すようになり―――すべては、始まった。



「 … ―――ずっと、探してたんだ。…まさか…こんな事を起こしてしまうなんて……」

 フロラルドでの戦いが終わった、数日後―――。

 カービィは、大きな鏡の前で、ため息を…… ついていなかった。
 鏡の中、深い闇の色を宿したもう一人のカービィが、すまなそうに頭を下げる。
「ごめんね。…見つからないハズだよ。あいつは、ボクたちの『鏡の国』とは違う場所に逃げ込んでしまっていたんだ。…『鏡の中の悪意』……昔、キミがこの国を救ってくれたのに、ボクはまた、何もできなかった」

 昔、カービィたちによって倒され逃げ出した『鏡の中の悪意』は、鏡の国を飛び出し、ディメンションミラーを模したその鏡に取り憑いたのだろう。…そして、その持ち主と周囲の人々を惑わした。
 “鏡の国のカービィ” は、おそらくは消えていないだろうダークマインドを、鏡の国を守りながら長年探していたのだが…。

「元気出してよ… “カービィ” 。キミが悪い訳じゃないだろ? あいつが、しつこすぎただけだよ」
 ピンク色のカービィの手が、とんっ、と鏡の表面を叩く。鏡写しにならないもう一人のカービィが、苦笑を浮かべながらピンク色の手が置かれた部分を裏側から撫でた。
「あー…もぅ、自信なくすよ…。ボク、本当に、こっちの “キミ” なんてやっていけるのかな…?」
「キミはキミだよ、“鏡の国のボク” 。…それより、そっちには被害出なかった?」
「そうだね~天気は荒れてたけど。大丈夫だよ。…大したことはなかったさ」
 肩を竦める鏡の向こうの自分に、カービィはにっこりと笑う。…この口ぶりだと、やはり『鏡の国』にも今回の事件の影響か、いろいろと大変な災害が起こっていたようだ。きっとそれを抑えるために奔走していたのだろう。こういうところで意地を張ってしまう自分の悪癖は、自覚している。
「…ほら。やっぱりキミも『鏡の国の勇者』じゃないか」
「は? …なに、それ。 ―――それよりもさ、ボク、もっと強くなりたいんだ。ねぇカービィ、あとでボクの修行に付き合ってよ!」
「ええ~?? 付き合う、って、どういう……」
「そんなの、とりあえず殴り合うに決まってるでしょ?? あっそーだ、キミの分身体たちも貸してよ! 皆でバトルロイヤルとかどうかなっ?」
「ええええっ!? ちょ、それはちょっと…!」
「―――なんだ。ずいぶんと性格のはっちゃけた “カービィ” だなオイ」

 後ろから、デデデ大王が鏡を覗き込んできた。…ちなみに、ここはデデデ城である。カービィは『鏡の国』と交信できるような大きな魔力に耐えうる鏡なんて持っていないので、勝手知ったる他人の家とばかりにお邪魔しに来たのだ。
 大王に気付いた鏡の中のカービィの顔が、ぱっ、と明るくなる。

「あっ、キミがデデデ大王? はじめまして!
 今回また迷惑掛けちゃったダークメタナイトとあとブラックデデデは、あとでボクがなんとかとっつかまえて『鏡の国』に連行しておくから、安心してね! てゆーか、ずーっと行方が分かんなくなってたダークメタナイトを見つけ出してくれて、どーもありがとーっ!!」

 勝手に城の備品を断りもなく使っている事に文句を言いに覗いたつもりが、予想外ににこやかに捲し立てられて、大王はちょっとびっくりして顔を引き攣らせる。

「お…おう。…似てねーなお前ら」
「えー、そうかなぁ?」
「どうかなぁ?」
 途端、そっくりな顔で首を捻る二人であった。


「…それじゃあ、また、なにかあったら。 じゃあね、“鏡の外のカービィ” 。」

「うん、そっちも元気でね、“鏡の国のカービィ”!」


 にっこりと笑った鏡の中のカービィの姿が薄れ、徐々に、闇の色をしたその影が淡いピンク色に染まっていく。…数瞬の後には、ただの鏡と、鏡に映るカービィとデデデ大王だけが残された。



(天の女王と鏡の幻想:おわり)


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 『~鏡の幻想』はここで一区切りですが、他にもタランザたちの話は書いてみたいと思ってます。…というか、この話を出してしまわないと続きが出せなかったので。
 もしよろしければ、この後もお付き合い下さいませ。