(追記)書き込み練習を兼ねた季節ものネタ一発書き。いろいろ唐突過ぎて、完成にはちょっと足りてない感じです。
今年は桜を見に行かなかったなぁ…ともの寂しい思いで綴る、
思いつき短編、ドロッチェ団+カービィで「お花見」。
(!注意)ドロ×カビです。 既に恋人同士になっています。
ドロッチェ団の団員たちは自己流設定です。一部、ドロカビ以外の腐向けカップリング含みます。 特にドクのキャラ崩壊注意。
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春、爛漫。
一年中のんびりと過ごしているプププランドにも、桜の季節がやって来た。
ちょうどポップスターに滞在中だったドロッチェ団も、拠点にしているアイランドアイスからちょっと遠出をして、プププランドに花見に来ていた。
わいわい、ちゅーちゅー。 はしゃぐチューリンたちの声が、花吹雪の中で響く。
「風流じゃのう……。」
チューリンたちから少し離れた位置で、花見酒をちびちびやりつつ。ほうっ、とため息と共に呟いて、ドクはぐるぐる眼鏡の奥で目を細めた。
足音を忍ばせて近づいて来たスピンがドクの手元を覗き込み、「呑みすぎるなよ?」と小言をつけながら器を満たしてくれた。
…ああ、風流じゃのう、と、笑みを浮かべて、ドクは再び呟く。
「…美しく散る花と…美味い酒と……そして、」
ちらっ、と傍らで酒瓶を手にしたまま首を傾げるスピンを見て。
「…花の似合う、可愛い人。」
―――直後、ボカっ! と大きな音とともに殴り飛ばされるドクの姿を、偶然目にしてしまったチューリンがびっくりしたのは言うまでもない。
「…い…痛いではないか、スピン……」
「チューリンも居るっていうのに、色ボケるからだろっ、この馬鹿っ!」
花びらの絨毯に顔を埋めて、よよよ、と泣き崩れるドクに、それが演技だと分かりきっているスピンはそっけなく言い捨ててそっぽを向く。…スピンも少しは呑んだのか、その頬がちょっぴり赤く染まっていた。
派手に吹っ飛ばされたドクを心配して寄ってきたチューリンに、気にするなと宥めて、花見の席に戻る。団員たちの中央に置かれた大きな弁当の中身は、もうずいぶん残り少なくなってきていた。
「…ちゅっ?」
辺りを見渡していたチューリンの一人が、あれ? という顔になって、すぐ近くで延々と食べ続けているストロンを見上げ、訊ねる。
「ちゅー、ちゅーちゅー?」
「…ん、……団長が、いないって?」
訊かれたストロンにはすぐに分かる問い掛けだったらしい。ごしごしと粗雑に口元を拭うと、にやぁっ、と歯をむき出して笑った。
「そりゃー。…まー、……あれだ。 …春だし?」
…チューリンにはちっとも分からない答を返されて、きょとんとしていると。「ストロンっっ!!」とスピンの怒声が飛んできた。
どうやらこっちに訊いたほうが早そうだと思ったのか、チューリンがスピンを振り返る。話が聞こえたらしい何人かのチューリンたちの視線が同時に向けられて、こほん、とスピンはひとつ咳払いをした。
「…、あー。団長なら、少し前から出掛けてる。…花を見に行ったんだろう。
…なぁ、お前たち。団長は、いつも僕たち皆の面倒を見てくれてるんだ。たまには、のんびりと過ごす時間をあげてもいいって、思わないか?」
スピンの言葉に、周囲にいたチューリンたちが「「ちゅーっっ!」」と大きな声で答えた。その声と笑顔に、スピンは満足そうに頷く。
「よーっし、いい答えだ! じゃあ皆、団長に余計な心配かけたりしないよう、はぐれたりしないように遊ぶんだぞー!」
「ちゅーっ!」「ちゅー♪」
それぞれにしっかりと頷いて、思い思いに散っていくチューリンたちの姿に、脇で見ていたストロンやドクも穏やかな眼差しになる。そんな二人に、スピンはちょっと頬を膨らませて振り返った。
「お前らなー……もっと、ちゃんと答えてやれよ! チューリンたちだってもう、簡単な言葉じゃ誤魔化されるような歳じゃないんだぞ!」
「いやいや、お見事。ウソを吐かずに誤魔化すというのは難しいものじゃが、上手いこと切り抜けたのぅ」
「うんうん。やっぱこぅゆーのは、向き不向きってもんがあるよなー」
「…お前ら……もう酒、片付けるぞ…!」
「わー、待ってくれスピン、わしが悪かった~」
途端にスピンの前にひれ伏すドク。ドクに任せると一人で勝手に際限なく呑んでしまうし、ストロンに任せるとまだ幼いチューリンたちにも呑ませようとしかねないから、必然的に酒類の管理はスピンがすることになっているのだ。…ストロンとしてはこんな時くらい年齢関係なしに呑んでいいんじゃーとか思うのだが、スピンは自分が成人するまで酒に縁がなかったせいか、そういうところは厳しい。
拗ねたスピンになんとか機嫌を直させようと四苦八苦するドクの姿を眺めながら、ストロンは、「…あー…… 春、だねぇ…」と、のんきに呟いていた。
花吹雪の中に、くるくると、異なる軌道を描いて落ちてくるものがある。
小鳥に齧られたのか、五枚の花弁を付けたまま落ちてきた桜の花を、つい、と器用に掬い上げて、ドロッチェはカービィの隣に降りて来た。
幸せそうに花見団子を頬張っていたカービィが顔を上げると、とん、とドロッチェの手がカービィの頭に触れた。
「…うん。いい色合いだ」
カービィのピンク色をした身体に、さらに淡い薄紅色の桜が、思った通りよく似合っていた。手が触れるほど間近で楽しげに微笑まれて、カービィは団子の串をくわえたまま、ほんのり頬を赤く染める。
照れくさそうに、でも飾り付けられた花を払い除けようとはしないで、次の団子に手を伸ばしたカービィに、隣に座り込んだドロッチェが声を掛けた。
「美味そうだな。ひとつ、頂いてもいいか?」
「うん、いいよー。
……でも、キミ、団の皆とお弁当作ってきたんじゃ…――――」
軽く頷いたあとの疑問は、…ちゅっ、という小さく可愛い音に遮られてしまった。
「―――おっと。…間違えた。」
クスクスと笑いながらドロッチェは顔を離し、ピンク団子の前に置かれた花見団子に向かって今度こそ手を伸ばす。間違えられたほうのピンクの団子は、わなわな、とすっかり真っ赤な団子になってしまっていた。
「…わ、…わざとらしーーいぃっっ!!」
真っ赤になりつつ、手に持っていた団子を、ぐいっ、とドロッチェのいたずらな口元に突っ込む。
「……串ごと、人に突っ込むなよ、危ないな……ククッ。…じゃあ、頂きます。」
さり気なくカービィの手に次の団子の串を握らせて、ドロッチェは押し付けられた串を受け取り、かぶりついた。まだ動悸の治まらないカービィも、交換する形になった新しい団子に口を付ける。
今日は沢山食べるつもりで、いっぱい持って来たのだ。誰かと一緒に食べるのは美味しいし、楽しい。…ましてやそれが、心から大切に想う人ならば、なおさら。
待ち合わせをしていた訳でもないのに、お互い春に誘われ、出掛けた先で出会えたのだ。…なんとも嬉しい、春先のサプライズ。
三色の団子を食べ終わる頃には、二人はお互い笑顔になって、大切な恋人と幸福な微笑みを交わし合った。
―――春と、花と、可愛い人と。
(とりあえずおわり)
…幹部パートのほうが長いような…(汗) 我が家のドロカビには、ドクスピも追加で入ります。ドロッチェ団のドクに穏やかとか優しいとかのイメージ持っている人にはすみません、うちのドクは基本が変態親父です。(苦笑)