(※暗いです)(※直接関係ないけれども、ドロカビ前提。)
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『 ―――…ずっと、お慕い申しております。
……もう、届かなくなった今になってようやく口にするなんて、…ワタシは、本当に醜くて、…愚かで……、 … … 』
届かなかった筈の言葉。
飾らない心。本当の気持ち。
…もしも、届いていたのならば。
「―――お願いします、勇者カービィ。
フロラルドのため―――この星のために。
…彼女を、…倒して、ください」
亡者としてこの世に蘇りしかつての女王は、身を宿すワールドツリーを伝い、フロラルドの、そしてポップスターの大地を蝕み始める。
民たちの声ももはや届かず、 そして “彼” は――――
「……それは、」
相対するは小さな輝き星―――カービィは、静かに口を開く。
「それが本当に、キミの心なの? …キミは本当にそれを願うの?
“彼女” よりも、フロラルドを……選ぶ、と?」
「カービィ…! あまり、彼を追い詰めては…っ」
「ワドルディ!」
主の鋭い声に名を呼ばれ、バンダナワドルディは口を噤む。
それでも不安げな顔を隠せない部下へ、軽く首を振って言葉を封じ、大王はカービィとタランザに視線を戻した。
タランザは伏せていた顔を上げ、しっかりと、カービィを見た。
「彼女は、フロラルドを、故郷を愛していた―――それは、確かなことなのね。…ワタシは、それを知っている。
…きっと、今の自分を知れば、…… “彼女” は、悲しむ。……そう、思うから…。……だから、お願いしたいのね」
長年の、鏡に魅せられた幻想の呪縛から解き放たれて、まだたったのひと月あまり。
…それでも、立ち上がり、今こうしてかつて主であった者のむくろの討伐を依頼しに来た彼を、人々はどういう目で見るだろう。
「…ねぇタランザ。……ひとつ、言ってもいいかな?」
まるで、言う事を聞かない子供を見守る親のような表情で。
「―――キミ、…馬鹿だよねぇ」
しみじみと。微笑みながら言われた言葉に、タランザも、言い返せないなぁと思いながら苦笑する。
「…容赦ないのね、勇者様は…」
道化であろうとして、なりきれなくて。
彼女を支えたくて、なのに傷付けてばかりだった。
でも、……それでも、こんな今になってさえ、諦められないのだから。
「……しつこい男は、嫌われるって、言われても…無理なものは無理なのよね…」
「―――……。…いいんじゃない?」
苦笑混じりの、でも優しさに満ちた声にびっくりして、顔を上げる。
カービィの微笑みは、今まで見たことのないものだった。
「…なにがあっても。どんなことがあっても、見捨てたり、…諦めたりしないで、ずっとずっと大切なものを追い掛け続けられる男の人って、カッコイイと思うよ」
…タランザでさえ、思わずどきりとさせられる、眩しくも儚げな微笑みをたたえて。
「ずっと…、自分を想ってくれる人がいるってことは、…嬉しいものだから。
…だから。―――勝手だって言われてもさ、タランザには、諦めてほしくないんだ。…絶対にね」
その目蓋の裏側に本当に映っていたのは、誰だったのだろう。それは、タランザはまだ知らないことで。
ただ、…姿形も、纏う空気も、まるで違うのに。
その微笑みは……―――
――…ありがとう。
…お前の言葉は……、いつだって、わたしに…勇気をくれる……
「………っ!?」
突然開いた、封じていた筈の過去の蓋に、タランザは震える……――こんなにも。
…簡単に、思い出してしまう。彼女のことを。…彼女との日々を。
「……恋、をしちゃってる人の微笑みって、無敵なんだなぁ……」
ひっそりと呟かれた部下の独り言をうっかり耳にしてしまい、思わず狼狽える大王だった。
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セクトニア ソウル戦 直前、のイメージ。(inデデデ城)
せっかく作ったのだから、最初に書いたタランザバレンタイン話も一連の流れに組み込みたいなと思って…。
セクトニアが倒れた(1月12日の夜明け頃)からひと月ぐらい経って、タランザがようやくフロラルドに戻る決心をした(2月14日頃)直後に、セクトニアがソウル化して復活。 という感じ。
…我が家設定の(特にドロカビ版)カービィって、どうしても、セクトニアのこともタランザのことも放っておけなくってつい口を出してしまうみたいです。
なんとなく今日中に出しておきたかった去年のバレンタインネタ関連話。
…とか言いつつ、たぶん、最後のバンダナワドルディの独り言が書きたかっただけ…(笑)
さて、すっきりしたからドロカビに戻るぞーっっ。(ぇー)