2014年11月21日

【裏】お泊まり会 /未

『お泊まり会 ―カービィ宅―』
:久々の再会、二人のそれぞれの日常と二人だけの特別な時間。
 お仕事帰りに立ち寄るドロッチェを泊めてあげるカービィ。二人が恋人同士になってからの、ごくありふれた日々。
(当時のメモ書きより)

 こんな仮タイトルですが、本番はありません。でも恋愛描写は比較的濃いめです。
 まだ行為本番までは書く勇気がなかった頃に、(出来るだけ濃密な)キスシーンの描写に挑戦してみたくて、書いたお話です。
 そして冒頭と問題のシーン以外が結局書けてない未完成なお話です…。流れは決まっていたのですが途中の「団のお仕事」をどうしようかで詰まっていたのですよねー。
 とりあえず、やたら甘い……と言うか、既にバカップルになりかけているような内容なので、本当に趣味に合う方のみでお願いします…。 でも書いてる時はすごく楽しかったと言う。
 今更かも知れませんが、自分はカービィとドロッチェが恋人同士になったという大前提で書いているせいか、カービィが異様にチューリンに優しい……むしろ、カービィがドロッチェ団の、と言うかチューリンたちの「姐さん」的なキャラになってしまっているところがあります…。…“団長の恋人” だから間違ってはいない、と開き直りもするのですが、一応自分的には、カービィはあくまで「性別不明」で男の子寄りなキャラで行きたいと思っているのです…よ…?(遠い目)

※カービィの友達であるプププランドの住人として、ワドルディとドゥが登場します。前に「夏の終わりと、続く恋」で出したのと同じ二人です(初出はこっちでした)。 バンダナワドルディやヘルパーとは別人です。
※チューリンたちはまだ幼くて舌足らずなために「ちゅー」としか表現してないだけで、本当はちゃんと喋っています。
※タイトル未定。


☆★☆ ★☆★ ☆★☆

 今日も平和な、プププランドの昼下がり。

「いっくよーーっ!」
「よっしゃ、取ったーっ」
 カービィは、すぐ近くに住む友人たちと、ボール遊びをしていた。

「…ぇえーーいっっ!」
 可愛らしい外見や、のんびり者な性格からすると意外な程の剛速球を投げているのは、ワドルディ。

「負けるかーっ」
「あっ、コラ、『吸い込み』は反則だって言っただろカービィっ!」
 抗議の声を上げているのは、大きな瞳のワドルドゥ。若干口は悪いけれど面倒見の良い性格で、なにかとカービィの世話を焼いてくれたりする。二人とも、カービィがプププランドに家を貰った頃から仲良くしている、大切な遊び友達だった。

「てぃやーーっ! ……あれ?」
「おぉーい、どこ投げてんだよ~!」
「あはは、ごめんごめーんっ」
 うっかりと大暴投してしまい、カービィは頭を掻きながらボールを追いかける。
 茂みに転がっていこうとするボールに、なんとか手が届いた、その時―――。

――― てんっ

「………ぽゅ?」
 突如、目の前に転がってきた黒い爆弾に、カービィは眼を見開く。
 …数瞬の後。

――― ……ぼーーん!

「なっ…、爆弾!?」
「カービィっ!!」
「―――だいじょーぶだよ~っ!」
 悲鳴を上げるワドルディの前に、ぽんっ、とカービィが着地した。その手には、ちゃっかりとボールが収まっている。『吸い込み』で爆発を止めればよかったのだが、ある事に気を取られてしまい、ジャンプで逃げる事にしたのだ。どこも大事無さそうな姿に、ほっ、と二人は安堵の息を吐く。
「……まったく、誰だ! こんなところで、危ないだろっ!」
 ワドルドゥが肩を怒らせて、大きな瞳で周囲を見回す。…実は、プププランドでは爆発や爆弾はそんなに珍しいものではなく、ボムを作り出す能力を持つ者がごく普通に生活しているのもあり、道端に無造作に置かれている事も多いのだが。しかし唐突に巻き込まれたりしたら、怒るのは当然のことである。
 カービィはその場にボールを置き、再び茂みに近づいて行った。心配そうなワドルディの視線を背中に受けながら、無造作に茂みの中に踏み込む。
 …さっきの爆弾に、見覚えがある気がしたのだ。あれは……。

―――ガサッ。

「……チューリン!」
「ちゅーっ!!」
 茂みの奥から、爆弾を投げた犯人―――ドロッチェ団の戦闘員である青色をしたチューリンが、ぴょいん、と飛び出して来た。
 カービィを見上げて、にこやかに笑う。…どうやらさっきの爆弾は攻撃などではなく、単にカービィの気を引くために投げたものだったらしい。それを理解して、ちょっと苦笑を浮かべてカービィはチューリンの前に屈みこんだ。

「久しぶりだねー。……あれ、キミ一人?」
 気さくに話し掛けてから、ふと疑問に思う。チューリンがたった一人で行動している事もだが、そもそもドロッチェ団って、しばらく前にポップスターを旅立った筈じゃあ…?
「ちゅーちゅー」
「…え? ドロッチェ団が、プププランドに来てる…って?」
「ちゅー!」
 元気に頷くチューリン。なんだなんだ、とワドルドゥたちが近づいてきた事も気にせずに、カービィ宛に託された伝言を捲し立てる。
「…これからおしごとの準備があるから、団長は手が離せないけど、近くまで来たんだから “いつものみやげ” を届けに行けって言われた……って。え、その箱?」
「ちゅっ!!」
 ちっちゃな胸を張り、ここまで一生懸命運んで来た箱を、堂々とカービィに見せる。なにしろ団長から直々に頼まれた、特別なお仕事なのだ。誇らしげな気持ちで、背後に置いていた紙の箱をずりずりと前に押し出す。
 箱を受け取り、カービィが目を丸くしてチューリンを見下ろした。
「もしかして…キミ一人で、ここまで運んで来たの? すごーい! 頑張ったね!!」
「ちゅーっ♪」
 素直な賞賛を受けて、チューリンは胸がいっぱいになった。――伝言と、お届け物。確かに一人で大変だったけど、自分はやり遂げたのだ。

 カービィと一人のチューリンが醸し出す和やかな空気に、見ていたワドルディも釣られて微笑む。その隣で、ワドルドゥだけが微妙な顔で首を捻っていた。
 ……なんだか、聞き逃してはいけない事が、幾つかあったような気がする。
「…なぁ、カービィ。ドロッチェ団って……あれだろ? 以前デデデ大王様のお城から、宝箱をたくさん奪っていったって言う…」
「うん、そーだよー」
 訊ねられて、カービィは軽く頷いた。あの時の冒険はほとんどプププランドの外だったので意外と知られていないのだが、情報通なワドルドゥはお城で起こった騒ぎの事を知っていたらしい。
 ワドルドゥはますます首を傾げて、さらに訊ねる。
「…盗賊団、なんだよな?」
「うん。そーだよ?」
「ちゅー!」
 チューリンも無邪気に頷く。

( ――……さっき、これから「おしごと」とか言ってなかったか? …と言うか、なんでそんなに親しげなんだ?? ……)
 いろいろと疑問はあるのだが、なんとなく口を出す空気ではないような気もする。

 ワドルドゥが首を捻っている間に、カービィはわくわくした表情で、受け取った箱を早速開けていた。
「……わぁい! ケーキだぁ!」
 中に入っていたのは、カービィの大好きな、イチゴのショートケーキ。
 箱に冷気の魔法が掛かっていたのだろう。ひんやりとした空気が少しだけ流れて、消えた。
 友人たちと分けることを考えてくれたのか、ケーキは4つ分入っていた。
 その内のひとつを、カービィは何処からか取り出したフォークで一口掬うと、「配達のお礼だよ」と言ってチューリンに食べさせてあげた。チューリンは大喜びでフォークにかぶりつく。ドロッチェ団の特製ケーキは、チューリンたちにも大好評なのだ。

「―――じゃあ、気をつけて帰るんだよーっ!」
「ちゅーっ!!」
 意気揚々と帰っていくチューリンを見送り、ちょうどいい時間だったので、カービィは皆を誘っておやつの時間にすることにした。
「…………、いーのかなぁ……。」
 楽しそうにおやつの準備を始めるカービィとワドルディを見ながら、ワドルドゥはまだ少し首を捻っていた。

 ちなみに、ケーキはワドルディとワドルドゥにひとつずつ、チューリンに一口あげたのを含むふたつをカービィが頂き、そのお味は二人にも好評だった、らしい。


★☆★ ☆★☆ ★☆★
(※以下、未完成部分)

・数日後、ドロッチェ団お仕事終了。その帰り道
 ドロッチェはアジトに戻るつもりだったのに、幹部の三人に「カービィに会いに行かないんですか?」と言われてしまう。しかもドクが勝手に用意しておいたケーキの箱を取り出して、既に皆でお見送りムード。頭を抱えつつ、結局は一人でカービィに会いに行く団長。

・再会。カービィの家へ
 家に帰る途中のカービィ、ケーキの気配?を感じてきょろきょろとする。ドロッチェが声をかける
 今度のケーキは、先日のもののちょうど倍くらいの大きさがひとつ。それを見たカービィが、ドロッチェを家に誘う。(おそらくはドクの狙い通り)二人分のケーキを切り分けて二人で食べることに
 一応は団員たちのことを気にして、顔を見せるだけで帰るつもりだったドロッチェだが、カービィに誘われるまま(おそらくはドクの狙い通り?)カービィ宅にお邪魔し、そのまま泊まることに

・カービィの友人(プププランドの住人)たちに顔を見せる気はないので最初は泊まるのを渋るドロッチェ。


※以下 後半ネタ


「ドロッチェ、眠いの?」
「ん? …んー、まぁ……昨晩はずっと張っていたし…大して寝てなかったが」

「泊まっていきなよ! わぁ、ボクが泊めてあげるのは初めてだね!」
「いや、しかし…」
「いいじゃない。今からアジトまで戻るの、大変でしょ? ね!」
 正直、ケーキを持たされた時点で今日はアジトに戻れないような予感はしていたが、ドロッチェは苦笑しながらケーキの最後の一欠けを飲み込み、肩を竦めて頷いた。
「わかったわかった。じゃあ、世話になろうか」
「わぁい!」
 ぴょんと跳ねてから、こちらも最後の一欠けを嬉しそうに頬張る。


 食べ終わった皿を片付けるよりも先にベッドに向かい、ぱたぱたと楽しそうにメイキングを始める。その丸い背中を眺めて、ドロッチェはくすぐったそうに笑いながら、マントに留めてある鈴を外した。
「あ、そこのでっぱり使ってくれていいよ~」
「…何で備えてあるんだ? 使うものないだろうに」
「えー、たまに使うよ? お花飾ったりとかぶらさがったりとか」
「………。聞かないほうがよかったな」
 ため息をつきつつ、壁に備え付けてあるフックに外したマントと帽子を掛ける。


 カービィに促されるまま、窓辺の小さなベッドに寝転がる。ふわふわと柔らかく、それでいて柔らか過ぎず。窓辺に置いてあるからだろうか、持ち主と同じおひさまの香りがした。
 部屋の明かりを消しに行ったカービィが、普段は床置きにしているクッションを拾ってベッドに戻ってきた。
「えへへー、ごめんね狭くて」
 言葉の割ににこにこしながら、ドロッチェの隣に潜り込む。ドロッチェは苦笑しながら掛け布団を二人の上に引き上げた。
「贅沢は言わないさ。泊めてくれる家があるだけありがたい。…ありがとうな」
 照れくさそうに付け足したドロッチェの言葉に微笑みを返して、カービィはもぞもぞと姿勢を入れ替え、ドロッチェに背中を向けるようにして寝転がった。

 急に静かになった部屋の中で、ドロッチェはなんだか奇妙な感覚に陥った。確かにさすがに疲れているとは先に伝えたし、温かい寝床に目蓋は重くなってきているのだが、珍しく何も言って来ないカービィに、ちょっと戸惑ってしまう。
 こりこりと爪で自分の頬を掻き、しばらく悩んだ末に、すぐ隣に横たわる丸い背中に向かって、そっと呟いてみる。

「―――別に……キスぐらいなら、したって良かったんだが………」

 すると、寝ているかと思ったカービィがゆっくりと振り返った。その瞳が笑っている。

「……実は、そー言ってくれるのを待ってたんだ」

 いたずらが成功した子供のようににんまりと微笑むカービィの顔を見て、ドロッチェは己の敗北を悟って頭を抱えた。自棄になったように叫ぶ。

「………あーっ、負けたーぁあっ!」
「えへへへ~、勝ったぁ♪」

 どうやら自分で思っていた以上に疲れが溜まっていたらしい、低下していた自分の判断力を呪う。真っ赤になりつつ、反対にすごく幸せそうないい笑顔で両の頬っぺたを押し上げていた相手の腕をむんず、と掴むと、その上に覆い被さった。
 唇が触れ合う。ちゅ、と小さく音を立てて吸い付き、二度三度と角度を変えて吸い上げてから、今度は深く口付けた。二人の舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。

「……ん………ぅ…、っん……」

 閉じた目蓋の向こうから、相手の熱が伝わってくる。掴んでいた腕をそっと離し、火照り始めた柔らかな頬の感触を楽しみながら、その身体を包み込むように抱え直す。カービィが、長いとは言えない腕をもどかしげに伸ばして、何とか届いた肩の辺りに、きゅぅ、と力を籠めて抱きついてきた。
 溢れそうになった唾液を喉を鳴らして飲み込んで、唇を放す。ふぁ、と熱い吐息が名残を惜しむように二人の間に走った。流れた唾液を丁寧に舐め取って、ドロッチェは改めてカービィの顔を覗き込んだ。
 ゆっくりと頭を撫でてやると、カービィが目蓋を押し上げ、熱く潤んだ瞳を覗かせた。

「…………ドロッチェ」

 荒い息の合間に愛しそうに彼の名を呼び、微笑む。ドロッチェは柔らかく眼を細めて、もう一度ゆっくりと顔を近づけた。カービィの目蓋が再び閉じる。
 ちゅう、と今度は短いキスを交わし、ドロッチェは覆い被さっていた身体を離した。
「………はぁっ、」
 最後に大きく吐息をもらして、カービィはぱちりとその大きな瞳を開いた。軽く身体を起こし、同じように息をついていたドロッチェを見上げ、明るく笑う。ドロッチェはやれやれ、と小さく微笑み、撥ね上げていた掛け布団を再び引き上げた。
 正直な所、見事に作戦負けしたのもあり恥ずかしくて仕方なかったのだが、再会を祝う久しぶりのキスに、胸の内が満たされていくのが分かる。身体の火照りをふぅっ、と吐き出すと、心地よい眠気が忍び寄ってきた。
 カービィを促して、二人でごろりと寝転がる。今度は間近にある青い瞳を見つめながら、そっと布団を掛けてやった。
「おやすみ…」
「…おやすみ」
 小さな挨拶を交わして、目蓋を閉じる。
 …すぅ、と静かな寝息を立て始めたドロッチェをこっそりと眺めていたカービィだったが、すぐに自分も睡魔に襲われ、彼を追って眠りの国へと旅立って行った。


☆★☆ ★☆★ ☆★☆

・翌朝
 一晩ぐっすり眠ったので、起きるのはドロッチェが先。カービィが眼を擦っているうちに起き出し、身支度を整える
 名残を惜しむカービィだが、ドロッチェは近づいてきているカービィの友人たちの気配を感じ取り、手早く別れを告げる
 友人たちが声をかけてくるのと同時に、ドロッチェが瞬間移動で消える

 不思議そうな声
「……カービィ? 居ないの?」「無用心だな、明かり点けっぱなしだし」
 家の中を覗き込む友人たちの声を、移動した先の屋根の上から聞きながら、ドロッチェは呆れた顔で手元を見下ろした。
「………おい………。」
「…えへへ。ちょっと名残惜しくて」
 彼が消える瞬間、咄嗟にマントを掴んで一緒に移動して来たカービィ
「いいのか、お前を探してるぞ」
「だいじょーぶだよ、よく遊びに来る友達だし、勝手は分かってると思うから」

 やれやれ、と苦笑を漏らし、ねだられるまま「それじゃ、またな」お別れのキスを交わす二人。短いけれど想いを乗せたキスの後、微笑み合って今度こそ本当に離れる
 再び瞬間移動術で消えるドロッチェと、同時に屋根から飛び降りるカービィ
 家の中に居る友人たちに後ろから声をかける
「おはよー、みんなーっ」「どこいってたんだ?」「ちょっと用事があって、屋根の上に登ってたんだよ」

「あれ? 誰か来てたんじゃないの?」テーブルの上の、片付けていなかった昨日のケーキの皿と食器(二人分)を指差される。ばれた、と思わず目を逸らすカービィ
「…うん。だから、お見送りに、ね」誤魔化すよりはぼやかして、屋根を指しつつ言ってみる。首を捻りつつ、それ以上は聞いてこなかった友人たちと共に、またカービィの一日が始まる


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 よく分かってない子供を私用で働かせた上に恋人との駆け引きに負ける盗賊団団長……(でも手は早い) 書いててすっごく楽しかったですごめんなさい。(←反省してない)